ヒロシマデイ
我井の底にさえ届かず
無知の奈落を摺るのみの虫なれど
今日とまたその三日あと、
ふりしきる蝉に焦がさるる
八月のこの一時は
天仰ぎ
地を忘れ
何も作らぬ道具であると
責めることを暫時休める
この手を合わせ
泣き言を言い慣れた口をつぐみ
多くの祈りにたちまじるべく
心を空に射かけるもの
無力なるが故に
貧しき肩に力込め
和合という名の
姿なき太陽に
寄り添いて灼かるるため
腹の底で息長く
怒りを燃やし
墨のように奥底あかく
力の限りはばたくものなれば