さんさんと金砂の昨日かがやける
睫毛と髪先名残とどめん
代も国も入ってこないでわたしには
壊れた園を今日も刈り込む
しつびょうとしっぺいごとき読み違う
光るわがまま行間に見る
書かせてよはじけとぶほど書かせてよ
爪角膜がはぜ燃えるほど
誰一人ここへは来ないさらさらと
我一人なる苦楽の常緑
横たわる手足の楽も一日を
歩ける人の特権なれば
やまいだれ多くの文字を書き作る
どれも似ているどれもが違う
うらまるる人ではないと云い聞かせ
逆手に刃
わたしはなんなの
つくせずに喉ちりぢりになりにける
いかりは冴える秋にも冬にも
忘らるるこの手をかけた糸車
つむげよ人の名を借り目を借り
思いさえ持ってはならぬ隣人の
棺を前に己を不幸とは
賽子に切っていためるこの秋も
しみじみ冷えるわたしの心臓
こんなかど
喉に在るなら
どの医者も
吐かせるはずよ裂かれる前に
自分とは今日会いましたまた明日
落ち葉の食卓共にするかな
よいこなれ
おとぎ話の幸いの
定義の違いポプラ教えぬ
さみしさと右目左目のど頸と
どれか切り落としてよ
紅葉の上に
裸木を照らす日差しにぬいつける
涙はしろきあかるさのせい
いつ開く
夢の扉に寄り添いて
老いゆく二人が石に文する
苦みの字
くさ冠の優しさを
含んでゆかん
古びてゆかん
昨日あり東も西もその地図に
なぜひかなかったの和平の線を
永遠もひさしきことさえ信じない
この手に昨日の蝶と灰だけ
頑なに消える松明秋に燃ゆ
新芽に触れる指はとろける
熱狂を追い羽ばたいて来た涯に
誰が望むか鎮まることを
ひきかえの佳きハイエンド想いつつ
白き寝床に文字書き送る
安らぎをあらためるともなだめつつ
三つの傷の力を祈り
起き座して世界をいとしむかのひとの
向かう明日を離れ待つかな
日々はらにはぐくみいそしむ黒き石
今朝ははらっていのりいそしむ
とつくにの竜巻ひとみにいまわしく
我が身を尊ぶエゴいまわしき
沈黙をきかれる耳にはくるしみが
伝えぬ口に孤独の味が
白き空 青に戻るはいつの日か
もみじの血のみあかるく映える
よき夢はひらく瞳を黒く刺す
悪夢を尊ぶ今日を笑わん
きらきらと身じろぎせざる猫のごと
近くにいてね
わたしのみどり
ひたすらに哀しみばかり積むならば
つぶしてしまえ三十一字